『車の塗装に対する中古車屋の基本的な考え方』
自動車板金塗装で自営業を始めて10年を超えた。
請け負っている仕事と言えば、中古車屋が仕入れて来た中古車を店頭に並べる前に、キズやへこみを板金塗装してキレイにすること。それと直接のお客さんの仕事。

中でも中古車屋とは長~い付き合いだ。
長~く付き合ってると、当然いろんなものを見せてくれる。ホワイトなこともブラックなことも。
そんな中古車屋が見せてくれたいろんなものの中でも、塗装に対する基本的な考え方も知ることが出来て大変勉強になりましたので、ここで紹介します。
一貫して言えるのは、店頭に並べる在庫車に関しての板金塗装の仕上がりは”テキトー”でいいってこと。
これは何が目的なのか?
これは「テキトーにササっとしてもらうことで安くしてもらう」ってこと。
そう、外注費の削減ね。ここを抑えれば抑えるほど自分達の利益に直結するからね。
で、修理が終わって金額を伝えるとこう帰ってくる。
「え~、もうちょっと安くならない?テキトーにやったから早く終わったでしょ?」だって。
イヤイヤ、やることはそんなに変わらないから。つーか少し安くしてんじゃん。
じゃ何かい?色を吹き付ける量を減らすかい?下地が透けて見える状態で車を持ってきて、アンタ受け取るかい?
それともパテに硬化剤を入れるのをやめるかい?パテは乾かないけど。
あ~、塗装の時にマスキングするのをやめようか?そしたらオレ達もテープを使わないで済むし。
それとも部品のばらしと組みつけはアンタたちがやるかい?そうだ、もうタッチペンで終わらせたら?
つーかさぁ、工場持ってもう自分でやったら?外注費かからないよ?
というようなことを全部伝えた。
オレが少し怒り気味になったのを感じたようで、申し訳なさそうに「在庫車に関してはテキトーでいいから安くしといて。お客さんの預かりだったらお金出すから」って。
そういうその中古車屋は、個人のお客さんは非常に少ない。
中古車屋の基本的な考え方として、どうして店頭に並べる在庫車はテキトーな仕上がりでいいのかというと、
「車を買いに来たお客さんは、その修理箇所だけを見るわけじゃないから」ということだそうだ。
中古車を買いに来た時、まず車をぐるっと1周見ながら回る。
あとはホイールが社外がついてるとか、ナビやDVDがついてるついてないとか、シートに汚れやシミ、穴が開いてないかとか、事故はしていないかとか、あとどれくらいまけてくれるかとか、そこしか重要じゃないと。
「だから色さえ合ってればいいんだよね」だって。
バカヤロー、それが一番難しいしセンスもいるし特殊な技術なんだよ!って腹が立ったから、一度データ通りで色を作って調色しないでそのまま塗装してやったんだよ。
そしたら慌てて電話があって「ちょっと色が違わない?」っていうから言ったのよ。
「だって調色してないですもん。でもそれが塗料メーカーのデータ通りですからね。これ以上安くしようと思ったら、調色をやめようと思ってですね」って。
さらに「いつも安くするために”これは色が100㏄もあれば塗れるでしょ”っていいますけど、たしかにその傷を直すには100㏄で十分ですけど、調色するなら300㏄とか400㏄とか作らないと、調色できませんもんね」って言ったら無言になってたよ。
そして、金額も少し上がったよ。ほんの少しね。
だからといって、中古車屋が全部こんな感じではないことだけは書いとくよ。
地道な戦いだけど、中古車屋の基本的な考え方を少しづつ変えてあげよう。疲れるまでは。もう疲れてるけど。
以上、『車の塗装に対する中古車屋の基本的な考え方』でした。






