『車の座席はどこに座れば安全かだって?問題は座席じゃない』
よく、車の座席はどこに座れば安全か?なんて言われ、運転席がいいだの後部座席がいいだの運転席の後ろがいいだのと「結局どこなんだよ!」って感じだが、オレの同級生が車の事故で2人、人生を棒に振った。
1人は社会に出られなくなって、もう1人は亡くなってしまったという状況や詳細を知っているオレから言わせれば、そもそも問題は”どの座席”って話じゃない。
事故に遭ったオレの同級生は、それぞれまったく違う事故なんだが、亡くなった同級生が座っていた座席は助手席、社会に出られなくなった同級生が座っていた座席は運転席の後ろの座席だった。
共通していたのは、どちらも運転はしていなかったということと、どちらも運転手がかなりのスピードを出していたということだ。
要するに、運転手自身が自分の運転技術を過信しすぎていたばかりに、その運転技術レベルじゃ、そのスピードではその車を扱えなかったということ。

運転席の後ろの座席に座っていて事故に遭った同級生は頭を強く打ち、意識もなく、救急車で運ばれるとそのまま集中治療室に入った。5日間、意識が戻らなかった。
その車にはオレの同級生を含めて4人が乗っていて、全員が高校時代の友人だったそうだ。
オレは中学からの友人で、彼が事故に遭って集中治療室で生死をさまよっているらしいと連絡をくれたのも中学の友人からだった。
内容を聞けば、やはりかなりのスピードを出していてカーブを曲がり切れず、車がスピンしている時に電柱にぶつかって止まったという。
その電柱がぶつかった箇所の座席に座っていたのがオレの友人だった。
その車に乗っていた全員が大学に受かり、数か月後には大学に通い始めるというタイミングの事故。
他の3人は大学に入学したが、オレのその友人だけ、受かっていたにも関わらず大学には行けなかった。
それは、彼はそれからの新しいことが記憶できないからだ。
だから車の免許も持っていない。というか持てない。
でも記憶喪失じゃないから町でオレに会っても名前も顔もわかるんだけど、記憶がどこかで止まっているようだ。
最近では1年に2回くらい歩いているのを見かけて声をかけて話をするんだけど、その度に毎回「3日くらい前に電話くれたよね?」と聞かれる。
彼の中でのオレは「3日くらい前に電話くれた」、で止まってるんだろう。
人のせいで、人の人生をこんな風にされたんだなと思うと彼が不憫でならない。
調子に乗るヤツ、カッコつける奴、ハンドル握ると性格変わるヤツ、いつもスピードを出すヤツ、他の車に抜かれたら抜き返したりするヤツ。
問題は座席じゃない。くれぐれも、こんなヤツが運転する車にはどの座席にも乗らないことだ。
人生の時間を無駄に過ごしちまう。
以上、『車の座席はどこに座れば安全かだって?問題は座席じゃない』でした。






