『夜中、部屋の目の前で物音が。そして朝なくなっていたもの』
数日前、深夜の1時頃オレは自分の部屋でパソコンで作業をしていた。
オレはテレビを見ないから部屋にはテレビがない。
だから部屋でしている音といえば窓用エアコンの音ぐらいで、それ以外の音はない静かな部屋。
そんな数日前の深夜1時頃、オレの部屋の目の前で物音がした。
「ゴ~~ン」。
その音は間違いなくちょうどオレの部屋の前にある鉄の門に、どこかをぶつけた音だった。
それを間違いないと言えるのは、今の借家に引っ越してきたばかりの頃にオレも子供達も頭やひじをよくぶつけたことがあったからだ。
そしてその鉄の門の場所。
ウチはまず駐車場を通ってきて玄関がある。その玄関を通り過ぎるとすぐオレの部屋で、その先が行き止まりで鉄の門がある。その鉄の門を開けた先は洗濯物を干すスペースがあって縁側がある。
縁側がある部屋が嫁さんの部屋でその奥が上の子の部屋、と繋がっていく前にその鉄の門が立ちふさがっているわけだが、そもそも鉄の門の位置は、玄関を通り過ぎた家の裏手に向かう場所にある。
そんな場所にある鉄の門に、しかもそんな時間帯にぶつかった音がしたもんだから、オレはすぐに「泥棒か不審者か?」と臨戦態勢にスイッチを入れた。

そしてオレは鉄の門の音がしたということはもう敷地内に入ったと思った。そこから先に家の中に侵入できる部屋は、いつも夜も網戸にしている嫁さんの部屋しかない、と懐中電灯を持ち、木刀片手に自分の部屋を飛び出し、隣の嫁さんの部屋に入った。
オレはそれぞれの部屋に木刀と金属バットを置いている。
たとえどの部屋に入られても、どの部屋からも武器を持って登場できるようにするために。
いまのご時世、近所にさえどんな人間がいるかわかりゃしないから。ましてや引っ越してきたばかり。
用心にし過ぎなんてことなない。
そして嫁さんの部屋のドアを「ガラッ!」と開けた音と同時にオレの木刀を手にした姿を見て寝ぼけながらも「なに?なに?」と言うので「今なんか音がしたろ?」と聞くと「ウトウトしてたけど、そこでカサカサしてた」と言った瞬間網戸を「ザッ!」と開け、一帯を懐中電灯で照らした。
まずはすぐに鉄の門の方を照らしてみたが門は締まっている。そして隅々まで照らしてみたが誰もいない。
すぐさま玄関から外に出て門の外側に行き、車をぐるっと1周まわっても見たが何もいなければ音もしない。
なんだったのかと思いながら、とりあえず嫁さんには、網戸にしてないでドアを閉めて鍵もかけて寝るように言った。
そして翌朝、一通り家の周りをチェックしても特に変わったところもなかったから、最近の朝の恒例のザリガニのエサやりをしに水槽に向かうと、何と、1番ビッグサイズだったザリガニ2匹がいなくなっている。
「え!どゆこと??逃げたのか?盗まれたのか?昨日の物音はコレか?!」と。
ザリガニは大きさ順で分けていて、それ以外にも13匹を4つの容器に分けていたが消えていたのは一番大きい2匹だけで、後はまったく大丈夫だった。
ただ脱走しただけなのか、それとも昨日の物音が関係しているのか。
その数日後、なんとなく見えてきたのである。
以上、『夜中、部屋の目の前で物音が。そして朝なくなっていたもの』でした。






