『下請けやってる間は精神的に疲れるだけ』
オレも長い間下請けやってきたなぁ。
そして、その期間が長くなれば長くなる程どんどん苦しくなってくる。
なぜなら、仕事を出してくれる中古車屋が付き合いが長くなってくると、じわりじわりと調子に乗ってきて価格を落としてくる。
ここだけ見ると、「そんな仕事受けなきゃいいじゃん」って突っ込まれそうだが、工賃の良い仕事はするけど安い仕事ならしないなんていうのはもっての外で、”仕事が頂けるだけでありがたい”という思いだけでどんな仕事でも全力でこなしてきた。
がしかし、それはもうヤメた。
他のことまでも要求してくるようになり、しかもだんだんそれがエスカレートしていく。
さらには長い付き合いにも関わらず、「もっと安くしてくれる工場があるらしい」なんて言葉をオレに投げかけやがる。
でもね、オレだってこの中古車屋に車が欲しいという人を何人も今まで紹介してきた。
オレの友人知人、親兄弟から嫁さんの方の親兄弟まで全部ここに紹介してきたんだ。
オレだって知ってる中古車屋はここだけじゃない。
感じのいい中古車屋の社長だっていくつも知ってる。
それでも徹底してここにお客さんを全部紹介してきたのは、仕事量もそこそこあるし、何よりも、付き合いが一番長いからだ。
それなのにさっきの言葉だ。「もっと安くしてくれる工場があるらしい」。
オレが反対にその中古車屋に向かって「向こうの中古車屋の方が安く出てる」何て言ったら、どんな気持ちになるだろうか?
「じゃ、しょうがないね」、で済むんだろうか?
「もっと安くしてくれる工場があるらしい」という言葉を聞いた瞬間、「あっ、オレに仕事をチラつかせてるんだな」とはすぐに思ったよ。
だからオレもそれから考え方を変えたよ。
「向こうの中古車屋の方が〇万円安いですもんね」なんて平気で言うようにした。
今までの付き合いが崩れていった瞬間だった。
でも「もっと安くしてくれる工場があるらしい」とは言ったものの、よそには仕事を出していないようだった。
なぜならそこは仕上がりが悪いから。
その板金工場は自分達が自分達の仕上がりが悪いことを一番知ってるから工賃も安く設定していた。
そうでもしないと仕事が取れないからだ。
そりゃ取れないだろうな、ヘタクソなんだから。
で、自分たちの首を絞めるというね。
工賃が安いのにその工場には出さず、オレにあんなセリフを言っておいてまだオレに仕事を依頼してくるということは、”オレの仕上がりは満足している”というのは確認できたわけだ。
これでただの下請けじゃなく、対等になったってもんだ。
こんなふうにこっちが持っていかないと、ただヘコヘコ下請けやってる間はいつまでも精神的に疲れるだけだ。
それこそ、パニック障害になっちまう。
オレみたいに。
以上、『下請けやってる間は精神的に疲れるだけ』でした。






