『会社を辞めると言ったら何て言われた?オレの場合』
16歳から12年間、28歳まで勤めた会社を辞めると言ったとき、オレは何と言われたか?
まぁまず返ってきた言葉は「なんでだ?」っていう言葉。
予想通りだったから笑いが出そうになったぐらいだ。
「なんでだ?」って驚いて言うぐらいだから、要するに、辞める理由もわかってないし、オレがこの会社を辞めるわけがないとでも思ってたってことだ。あの驚きようじゃ。
そこが「スゴイなぁ」とオレは感心したもんだ。
だって、オレがいた12年の間に、入っては辞め、入っては辞めをしてきた人は6人いたんだよ?。
そんな経験をしてるにも関わらず、「なんでだ?」って言うんだもん。
おかしいのを通り越して感心しちゃったよ、マジで。
で、オレが「辞めます」って言った時、「なんでだ?」って言うから教えてあげたの。
「魅力がないからです」って。
そしたらこう来たんだ、「給料か?」と。
「は?イヤ、ボク、今給料って言いました?魅力がないからです」と。
そしたらさ、「もう1年見ててくれないか?魅力ある会社にするから」だって。
こっちだってさ、思い付きで簡単に「辞めます」って言ったわけじゃねぇんだ。
入社して1,2年の人間が「辞める」って言うわけじゃねぇ、10年以上勤めてきた人間が言うんだ、それこそこっちだって、いろんなことを考えて腹を決めての決断だ。
師匠とはずっと一緒に仕事をしていたかったという思いの中での、苦渋の人の決断に対してのその軽い言葉にちょっとムカッとしたから言ってやったんだ。
「何を言っても10年以上変わらなかった人間が、たった1年で何か変わります?僕は変わるとは思わないですけどね」って。
もう冷めた感じでね。
それでも引き下がらなかったから、「夕方まで考えときます」と言って師匠に相談したら、「あの社長がそこまで言うんなら1年見てやってみ」と言うので、そうしてみることにした。
でもまぁ大方の予想通り、やっぱりダメだったのできっかり1年後に同じ場面を再現してやった。
それで晴れて会社を辞めたわけだが、辞めてから、あちらこちらから人づてにチラホラ聞くようになったのが、「アイツが行くところに仕事が入らないようにしてやる」と前の社長が言って歩いているらしいということだった。
オレとしてはもう「あの社長なら言いそうだな」ぐらいしか思わなかったし、逆に「やれるもんならやってみろ。オレの仕上がりで逆に仕事を取ってやる」なんて燃えたもんだ。
「ケツの穴の小さいヤツだ」とは思ったが、オレのその後の人生の、いろんな場面での反面教師に間違いなくなってくれたことには、今でも感謝している。
「余程オレを失いたくなかったんだろうなぁ」と、今では思う。
以上、『会社を辞めると言ったら何て言われた?オレの場合』でした。