子供がいるからという理由だけで、夫の家庭内暴力(DV)を我慢している。
そんな人が実際どれくらいいるんだろうか。

テレビのニュースになる家庭内暴力なんかは、それこそ相手が死んだりとか刺したりとかいうものがほとんど。
そこまでのものじゃないと逆にニュースにもならねぇ。
でも、ネットで家庭内暴力なんかの相談のサイトとか見たりすると、「どうしたらいいですか」とか「助けて下さい」という、年齢も様々な子供たちの悲痛な声が、結構な数上がっている。
少なくとも、この声の数だけ家庭内暴力が存在してるってことだ。
ホント子供からしたら、心配で不安で、「誰か!」って感じだろう。かわいそうに…。
オレもそんな家庭内暴力のある家庭で育ったから、少しはわかる。
何か気にくわないと、親父がおかんに暴力をふるう。
幼すぎたから覚えてないだけだろうが、記憶に残ってる一番幼い時の家庭内暴力の記憶は、オレが幼稚園の時。
夜寝てると、違う部屋から大きな怒鳴り声が聞こえてきて目が覚めた。
横を見ると弟は寝ていたので、揺すって起こし、「お父さんとお母さんがケンカしてる、止めに行こう」と
言ったが、弟は首を横に振り「イヤだ、コワい…」と。
そりゃそうだ。
弟は幼稚園児のオレより2つも年下なんだから。
その次の瞬間オレはもう怒鳴り声がする部屋の方に慌てて向かっていた。
親の部屋のふすまをガラッと開けると、少し驚いた顔をして2人がこっちを向いた。
そこには、おかんの胸ぐらを掴んでる親父と、鼻血を出してるおかんがいた。
すぐに2人の間に割って入り、親父の顔を見上げて「なんでそんなことするんかね!もうお母さんを叩かんで!」と、半分べそをかいたオレが叫んだところまでは覚えてる。
その後のことは覚えてねーから寝ちまったんだろうし、喧嘩も収まったんだろう。
でもそんなことはよく起きてたし、オレたち兄弟が大きくなるにつれて暴力の数は少しだけ減ったが、だんだん物にも当たるようになり、そんな中でみんな怯えるように暮らしていた。
オレが小学生5年か6年の時だったけど、親父の殺し方を真剣に考えた時期もあった。
そしてオレが中学2年の時、両親は離婚した。
オレがおかんに「このままじゃ母さんいつか殺されるから、離婚したほうがいい」と何度も頼んだ。
おかんが出て行ってからしばらくは親父も手あたり次第あちらこちらを探しまわっていたが、まったく足取りも
掴めないために親父も現実を受け止めるしかなく、それ以来は普通のおっさんになった。
でもオレは、日にちが経てば経つほど、心が穏やかだった。
おかんがもうあんな目に遭わされないで済むと。
とりあえず、ほとぼりが冷めるまで、また連絡がとれるようになるまで、とにかく元気にしててくれと願った。
こっちはオレが何とかするからと。
結局、今になってもやっぱりあのとき離婚してくれてよかったと思う。
あの頃おかんは、子供のためにと必死に親父からの暴力を我慢してただろうから。
だからオレは心から何度も言ったんだ。
「我慢しなくていいから。オレたちのために我慢してるんなら、オレたちのために早く離婚してくれ」って。
案外、子供はこんなふうに思ってるかも。
「我慢なんかしなくていいから」って。
以上、『子供がいるから夫の家庭内暴力(DV)を我慢している人へ』でした。






