
オイラはこの業界でもう30年ぐらい。今年で29年目ぐらいだったと思う。
中学卒業してすぐこの業界だから、16歳からやってるんだ。
最初の3ヶ月は、よく聞く”お試し期間”ってやつで、月「8万円」。
まぁ最初はとにかく何にもできないからね。掃除やら片付けやら洗車ぐらいで、よく8万円も払ってくれたもんよ。
車屋さんなのに16歳だから当然車の免許もないし。
次の年の17歳で「10万円」になった。
この頃はもう塗装の下処理や小さな部品とか部品のウラなんかの塗装をさせてもらってたなぁ。
そして、車の免許を取得した18歳で「13万円」になった。
18歳のときはやっぱりよく覚えてるなぁ。
初めて「ソアラ」って車を1人で全塗装した歳だからよく覚えてる。しかも赤色に。
分かる人には分かるけど、赤色ってのがまた他の色と違って大変なんだ。
この頃はもう作業全般1人でできるようになってて、これなら全塗装もいけるだろうってことで、全塗装をさせてくれたんだろう。
自分でも結構キレイに上がったなぁって思うぐらいに仕上がったよ。
まぁセンスあるからね…。
言うだけタダだからね…。
で、給料の方はというと18歳の次の年から「1万円」ずつ上がっていって25歳の時に「20万」だった。
基本給が20万だから税金やら引かれて18万ちょっとぐらいだったかな。
ボーナスは夏も冬もあって、どちらもそれぞれ1.2ヶ月分ぐらい。
田舎の町工場で、従業員数も全部で4人ぐらいの工場にしてはいい方かな。
まぁ時代背景も今とは違うし、今よりウンと景気も良くて仕事もたくさんあって車も売れてたからねぇ。
オイラの師匠なんか腕が良くて地元でも有名な職人だったから50万ぐらい貰ってたみたい。
それを見て「スゲーなぁ、カッコいーなぁ、オレもああなるぜ!」って技術向上に燃えたもんだ。
でも職人の給料ってのはやっぱりその会社会社で全く違う。
どの世界でもそうで当たり前なんだけど、どんな地域でどんな方針の社長か、どんな取引先があってどんな仕事内容があるか、これからどんなことをどうして行こうとしている会社か、っていう向こうの体制もあるし、こっちはこっちで、どんな要求でもハイレベルで答えられるような技術を習得してきたかってことも関係してくる。
もちろんいろんなことが噛み合って給料なんて決まるんだから、一概には言えない。
職人にもいろんなのがいるからね。
経験年数だけはやたら長くて口は達者なくせに、塗装させればヘタクソってのは結構いるよ。
そいつがやってるそれぞれの工程の作業の仕方を見てたらすぐにわかる。
「勉強してきてないな」、「研究してきてないな」、「悩んできてないな」、「知らないな」
ってのは一発でわかる。
今は職人が減ってきてるから、とにかく自分の腕を磨くことだけに集中して、その地域やその会社のことをよく調べて会社を変えるなりすれば、いい給料になっていく可能性は全然あると思う。
なんたって人手不足だから、板金塗装の業界も。
自分の技術さえ突出させていれば、自分を安く売る必要なんかない。
以上、『自動車塗装職人の給料ってどれくらいなのか?』でした。





